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適正価格?(その2・建築工事費)

「バブルの時代」何もかもが右肩上がりで、

誰もが「ポジティブ」な考えを持っていました。

そう言う私も、新婚生活を送っていた借家を出て、

中古ではありましたが、分譲マンションを購入しました。

住宅ローンは決して楽な返済ではありませんでしたが、

夫婦共働きで、何とかギリギリ生活はできました。

当時は私もサラリーマンで、確実に給料も毎年増えていきました。

購入時は不動産屋さんにも「このマンションはもっと値上がりしますよ」

と言われ、それを疑うこともありませんでした。

事実購入後3年くらいは値上がりを続けましたが、

そこで「バブルがはじけました!」



「土地神話」「住宅神話」は遠い昔になり、

間に「プチバブル」はありましたが、

その後の「リーマンショック」等々・・・・

今、建築業界のほとんどが「氷河期」を過ごしています。



それでも住宅展示場に行ってみると、多くの子供連れの家族の姿が見られます。

本当は多くの皆さんも、住宅購入の希望や夢を持っています。

でもこの不安定な社会で、追い打ちをかけた「東日本大震災」を送る日本経済の中、

安定した収入が保障されない時代に、

多くの人々にとって、人生の中で最も大きな買い物になるであろう、

「マイホーム」の購入はある意味「大きな賭け」かもしれません。

土地の価格は下がったとはいえ、例えば30坪(約100㎡)の土地の購入価格は約2000万円?

建築費も上がっていないとはいえ、諸経費や外構費を含めると、最低でもやっぱり約2000万円?

頭金が幾ら持っていらっしゃるか解りませんが、

20年以上のローンを組むのはあたりまえとの事です。

(現在住宅ローン金利は下がっているそうですが)



でもちょっと考えて欲しいのですが、

住宅の建築費は高いですか?

実は私は、住宅の建築費は決して高くないと思っているのですが・・・

もちろん他の電化製品や物品などの物価も、上がっていないのは承知しています。

でも実は住宅の建築費・坪単価(1坪あたりの値段)は、

私がこの業界に入って30年以上になりますが、ほとんど変わっていないのです

それでも高い!と思われる方は多いでしょうが、

住宅はこの30年の間に、大きく進歩しているのです!

● 耐震構造のための、基礎(地盤改良含む)や骨組み(木造も鉄骨造も鉄筋コンクリート造も)の強化

● 省エネなどのため、窓などの開口部の二重サッシ化

● システムキッチンを代表に、住宅設備機器が充実している(高価なものが選ばれる)

● 電気・ガス・水道の設備増
  (電気等はコンセントの数が増え、IT関係の配線、照明器具が増えている等)

● エアコンや床暖房設備の設置

● その他

上記の内容を考えると、本来の建築費は安くなっているのが事実なんです。

その内訳として、建築材料費が値下がりしていることが大きいのですが、

実は建築に携わる職人さんの労務費が大きく値下がりしているのです。


和風の門を造っています


先ほどお話しした30年前には、大工さんの日当(職人さんの多くは月給制ではなく、日給制でした)

が¥20000円を越している人がいました。(一人前の職人さんですが)

すごい!と思う人がいるかと思いますが、ひと月(25日)働いたとして約50万円です。

でもほとんどの職人さんは、ボーナスも退職金もありません。

ケガや病気をして休むと、休業補償もありませんでした。

年収600万円です。多いですか?

今は大阪市バスの運転手さんやゴミ収集の職員さんで、

年収1000万円もらっている人もいるらしいですが・・・

でもこれは30年前の話ですから、まあ良かった方かもしれません。

現在はどうでしょうか?

何人かの職人さんに聞いたのですが、日当¥10000から多くても¥15000位だそうです。

ボーナスも無く退職金も無く、土曜日も休まないで、月給25万円から35万円。

年収にしても多くて450万円位です。(一人前の職人さんで)

公務員さんの多くは、建築の職人より優れている人達なのでしょうか

これでは建築業界に夢を持って入ってくる人材は減っていく一方です。

こんなことは言いたくありませんが、汗水たらして、長時間働くより、

「生活保護を貰っているほうがマシ」と考える若い人が増えるのも仕方がないのかもしれません。



不況の時代で、過当競争をしている住宅産業界は、現在「首を絞めあっている」状態です。

その中で何とか持ちこたえた会社だけが「生き残る」図が描かれているようです。

もちろん決して施主(お客様)の責任なんて言いません。

多くの業種でも同じような状態で頑張っておられることと思いますから。

でもひとこと言わせてください。

多くの場合、建築費は決して高くはないのです!

出来るだけ、適正価格で仕事をさせて下さい。



全国的に建築産業に携わる関係者は、他の産業と比べても、とても多いのです。

その人たちの収入が増えて安定してきたら、購買力も増えて、

経済が活性してくるのではないでしょうか?



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適正価格?(その1)

最近よく考えるのですが、品物やサービスなどについて

それぞれの「適正価格」って幾ら?

多くの人は、自分自身の今までの経験や

見たもの、聞いたこと、比較するなどして

そのものの値段が「高い」か「安い」かを

感じていると思います。

自分自身もそうだから・・・・・

「価格破壊」という言葉もあります


液晶テレビ


最近大型の電化製品販売店によく行きますが

特に「薄型テレビ」の価格が、今まで自分が思っていた価格と比較して

「安い!」と感じている人は多いと思います。

数年前に1インチ1万円と言われていたのが、ウソのようです。

逆に10万円する洗濯機は「高すぎる!」と言ってしまいました。

もちろん大手電気メーカーは、海外のメーカーなどに対抗して

テレビ製品などの値段を決めているのでしょうが、

それと共に、販売店からの大量発注を受けるための価格設定もあるのでしょうか?

電気メーカーがテレビ部門から撤退したというニュースも聞かれます。

その結果安値競争の結末は、社員のリストラ。

下請け会社の倒産などに進んでいきます。  悲劇です・・・



高速夜行バス事故


先日、長距離夜行バスの高速道路での、悲惨な事故が起こりました。

現在その原因などは、警察などで調査中とのことですが、

マスコミなどの報道などを聞くと、この事故の要因のひとつとして、

運転手の過剰勤務(法定内とのことですが・・・)もあったようです。

運転手は正社員ではなく、アルバイトだったとか。

寝不足でも、体調不良でも、無理して運転しなければならない状況もあったようです。

これも「安値競争」がこの悲劇を生んだものかもしれません。

運賃の「低価格化」、旅行業者からの発注金額の「値下げ強要」

「安くしなければ、仕事がなくなる」

「安全管理よりもコスト管理」

誰もはっきりとは言いませんが、「チョットぐらい無理せんと、商売にならへん」
という考えは、どんな業種の会社でも考えていることです。


労働基準監督署の職員は綺麗ごとしか言いません。

「労働時間の短縮」、「労働環境の整備」、「安全第一」・・・・

もちろん大切なことですが、この通りを実践して、

安定経営できる会社がどれくらいあるでしょうか?

それが出来ないことは解っているのに、

労働基準監督署はそれを求めます。

(書類さえ揃っていればOK?)

(労働基準監督署の責任では無い?)


ひとりごとですが・・・・・

そのために多くの中小企業は、監督署への報告書類にウソを記入してしまいます

「サービス残業」「休日出勤をしてもタイムカードを押さない」

「ケガをしても報告しない」等々。

表向き「労働者を守るため」の法律が、

事実は「労働者への過剰勤務強要」をさせることになっています。


本当の意味での「適正価格」が堅持されていれば、

もっと「適正な労働時間を守り職場の労働環境が良くなる」と思います。


でも消費者としては「コストアップは嫌だ!!」

「同じような物なら、少しでも安い物を買う!!」


社会の色々なバランスが崩れているのでしょうか?

(消費者) 収入が少なくなった→高いものは買えない

(メーカー) 商品が売れないから安くする→従業員のコストを下げる

(労働者) 労働条件がきびしくなる→収入が少なくなる


消費者は イコール メーカーなどに関係する労働者ですよね。




もちろん建築関連(住宅産業)の業界も同じなんです

今の住宅の建築費も「適正価格では無い」と言えます。・・・・・・・次回に続く




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